ぐずついた天気が多かった今夏、本県発祥の「冷やしラーメン」を扱う店にとっては、厳しい夏となったようだ。発祥とされる山形市の栄屋本店では、記録的な猛暑となった昨年は連日、冷やしラーメン目当ての行列ができたが「今年はそれほどでもなかった」という。同店を含め、飲食店は食材費高騰で、利益を確保するのが苦しい状況。酷暑も大変だがもう少し暑さが欲しかったという。

同店で冷やしラーメンが生まれたのは1952(昭和27)年。「冷たいそばがあるのに、中華そばに冷たいのはないのか」という常連客からの声を受け、先々代が生み出した。その後、市内などのラーメン店でも提供され、山形名物となった。発祥の店・栄屋本店では、多い際は1日400~500杯ほどを売り上げる。中太ストレート麺を使用し、ごま油の風味が利いたしょうゆ味で仕上げた清涼感のある一杯。
近年はインバウンド(訪日客)にも認知され、海外からの来店も急増している。

「6月までは去年と同じくらい注文があったが、7月からは少なくなった気がする」と、3代目の阿部徹さん(69)。山形地方気象台のデータによると、山形の今年7月の平均気温は25.4度と昨年より2.8度低く、降水量は昨年の約27倍となる217.5ミリに急増。8月に入り気温は平年並みで、少雨となったが、9月上旬の平均気温は、平年を1.2度下回る21.8度に低下。日照時間も平年の52%にとどまった。冷え込みと長雨に見舞われたことが、「冷やしラーメン離れ」につながったとみられる。