1: 風吹けば名無し 2020/07/19(日) 13:38:55.57 ID:SkYtP0o00
現在のわが国の薬学部は、医療職養成学科という分類になっていながら、内実はまったく職業教育を行っておらず、医薬品を研究する学科でもない。この現実を薬剤師以外の医療職の方たちは知らないと思われる。



自分は医学部と薬学部の両方を卒業している。同経験に基づき、本コラムでは、わが国の薬学教育が抱える問題について詳細に論じてみたい。
2: 風吹けば名無し 2020/07/19(日) 13:39:08.58 ID:SkYtP0o00
■「薬剤師は医薬品を取り扱うための専門職であるが、専門性は形骸化している」



医薬品の取り扱い(ハンドリング)とは、保存と運搬と秤量と混合と包装である。保存に必要な知識とは、保存期限と温度の厳守だけだ。運搬は誰でもできる。

秤量も、秤が使えればできる。混合は、一部に無菌調剤が含まれるが、これも、数日も練習すれば誰でもできる。包装に至っては、手先の技術以上のものではない。



19世紀までは、医薬品の取り扱いは簡単ではなかった。大半が、生物原料から抽出される生薬だったため、真贋の鑑定、腐敗の防止には、注意が必要だった。

原末を量り取り、澱粉や乳糖などの増量剤に混合しなければ、患者には使えなかった。輸液製剤も、病院内での調製が必要だった。



生薬が工業化学製品に置き換わり、製剤技術が進歩して、それらの技術は無意味になった。

かつての薬剤師は、生薬の質を確かめながら、粉末を秤量しなくてはならなかったが、今の薬剤師は錠剤の玉を数えているだけなのだ。
3: 風吹けば名無し 2020/07/19(日) 13:39:17.07 ID:SkYtP0o00
■「病棟薬剤師はいらない」



医師が、薬剤師に薬のことを相談すると、良いことがあるのだろうか?限りなく、その可能性は低い。



薬剤師が、自分たちの職能の根拠としている知識とは、薬理学と薬物動態学だ。



薬学部の薬理は、医学部や獣医学部の薬理と大差ない。研究者も、決して多くはない。

部外者からは、薬学部は薬理ばかりやっているように思われているが、実際は、薬学部における薬理専攻者は、大学院生の10人に1人くらいである。

つまり、研究者の層が厚いわけではなく、教育水準が高いのでもない。



薬物動態学(ファーマコキネティクス)は、研究室レベルでは非常に高度かつエレガントな学問だが、臨床(TDM:血中薬物濃度測定)では、そのうちで、ごく単純な成果だけしか使われない。

具体的には、1コンパートメントモデルと2コンパートメントモデルしか使わない。このモデルは、高校生でも、1時間あれば解法を憶えることができる。薬学部でこの分野を専攻する人は、やっぱり10人に1人以下である。



この程度の専門性なら、医師の薬理学関係の知識をいくぶん増やし、かつ、TDM計算ソフトを普及させるだけで足りる。

DI活動も、添付文書や業界雑誌や文献を読むだけなのだから、医師でもできる。



大半の勤務医師は、「病棟薬剤師は、いた方が良い」と考えているが、それは、コストをまったく考慮しないで良い立場だからだ。

病棟薬剤師を専従で配置すると、最低でも、毎年、500万円かかる。そんな金があったら、医療情報を電子化して、コンピュータで処方を自動チェックするべきだろう。