1: 煮卵 ★
ある60代女性が「入れ歯を飲み込んだ」と救急搬送されたが、レントゲンに異常はなく、医師は「精神疾患による妄想」と断定して帰宅させた。しかし5日後、女性は死亡。法医解剖医が喉の奥に見つけたのは、樹脂製ゆえに「透明」化した凶器だった。不運と医療ミスが重なった死の経緯を追う。書籍『法医学教授が教えている 死体の授業』より一部抜粋してお届けする。
■「入れ歯で死ぬ」
日々、死体に向き合う仕事をしていると、「こんなことで人は死ぬのか」と驚くような事例に数多く遭遇します。ある60代女性の不審な死を引き起こした原因は、入れ歯と不運な偶然、そして医療ミスでした。
ある朝、60代の女性が「朝食中にパイナップルと一緒に、総入れ歯を上下とも飲み込んでしまった」と訴えて救急病院に運ばれてきました。義歯(入れ歯)の誤飲は、部分入れ歯のみならず総入れ歯でもめずらしくなく、高齢者にとりわけ多くみられます。
この女性の場合は上下ともに総入れ歯でしたが、夫がすぐに救急車を呼び、かけつけた救急隊員によって「上の入れ歯」はその場で無事に摘出されました。ところが、運ばれた先の病院でも「下の入れ歯」が見当たらなかった。
女性は問診後、すぐにX線検査で頸部と胸部、つまり喉と肺のレントゲン写真を撮ったのですが、なにも写っていませんでした。そこで腹部の撮影も追加しましたが、やはりなにも見当たらない。そして、女性のカルテをみると「精神疾患の既往歴」がある……。
診察にあたった医師は、「この精神疾患に多い妄想だろう」と考えたのです。本人は意識もあり普通に会話ができる状態にまで回復している。ならば飲み込んだのは「上の入れ歯」だけで、「下の入れ歯」は口から出て自分の家のどこかに落ちているのではないか。あるいはもともと飲み込んでない可能性もある。レントゲンで調べてもどこにも写っていないし、精神疾患の症状に多い妄想によって「飲んでしまった」と思い込んだのだろう。そう見立てた医師は、カルテに「妄想」と記載し、口の中を覗くこともなく診察を終えて患者を帰宅させました。
■体を切り開いてはじめてわかった〝死を招いた肺の状態と入れ歯の行方〟
解剖によって原因を突き止めると、まず肺の状態は最悪でした。肺を切ると膿瘍(のうよう、膿のこと)がにじみ出てきます。肺胞は本来であれば、空気がとおるようなスポンジ状になっています。しかし、病理組織を顕微鏡でたしかめたところ、女性の肺は好中球(白血球の一種)が増加して炎症を起こし、隙間がみっちりと埋めつくされていました。重篤な肺炎の所見です。
■「入れ歯で死ぬ」
日々、死体に向き合う仕事をしていると、「こんなことで人は死ぬのか」と驚くような事例に数多く遭遇します。ある60代女性の不審な死を引き起こした原因は、入れ歯と不運な偶然、そして医療ミスでした。
ある朝、60代の女性が「朝食中にパイナップルと一緒に、総入れ歯を上下とも飲み込んでしまった」と訴えて救急病院に運ばれてきました。義歯(入れ歯)の誤飲は、部分入れ歯のみならず総入れ歯でもめずらしくなく、高齢者にとりわけ多くみられます。
この女性の場合は上下ともに総入れ歯でしたが、夫がすぐに救急車を呼び、かけつけた救急隊員によって「上の入れ歯」はその場で無事に摘出されました。ところが、運ばれた先の病院でも「下の入れ歯」が見当たらなかった。
女性は問診後、すぐにX線検査で頸部と胸部、つまり喉と肺のレントゲン写真を撮ったのですが、なにも写っていませんでした。そこで腹部の撮影も追加しましたが、やはりなにも見当たらない。そして、女性のカルテをみると「精神疾患の既往歴」がある……。
診察にあたった医師は、「この精神疾患に多い妄想だろう」と考えたのです。本人は意識もあり普通に会話ができる状態にまで回復している。ならば飲み込んだのは「上の入れ歯」だけで、「下の入れ歯」は口から出て自分の家のどこかに落ちているのではないか。あるいはもともと飲み込んでない可能性もある。レントゲンで調べてもどこにも写っていないし、精神疾患の症状に多い妄想によって「飲んでしまった」と思い込んだのだろう。そう見立てた医師は、カルテに「妄想」と記載し、口の中を覗くこともなく診察を終えて患者を帰宅させました。
■体を切り開いてはじめてわかった〝死を招いた肺の状態と入れ歯の行方〟
解剖によって原因を突き止めると、まず肺の状態は最悪でした。肺を切ると膿瘍(のうよう、膿のこと)がにじみ出てきます。肺胞は本来であれば、空気がとおるようなスポンジ状になっています。しかし、病理組織を顕微鏡でたしかめたところ、女性の肺は好中球(白血球の一種)が増加して炎症を起こし、隙間がみっちりと埋めつくされていました。重篤な肺炎の所見です。
3: 名無しどんぶらこ
うわあ
有る有るなんだね、コレ
有る有るなんだね、コレ
5: 名無しどんぶらこ
喉に引っかからないのかね