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Netflixのターゲットは、日本のTVドラマが切り捨てた“おじさん達”だった…昭和・裏社会ドラマばかりがヒットしてしまう「日本市場の特殊性」
現代ビジネス 6/4
かつて視聴率の女王として芸能界に君臨した占い師・細木数子氏の半生を描いたNetflixのオリジナルドラマ『地獄に堕ちるわよ』が話題だ。
『全裸監督』に始まり、『地面師たち』『極悪女王』『九条の大罪』など、Netflixの日本発オリジナルドラマは、たびたび世間の注目を集め、ランキングでも上位を独占してきた。
一方で、SNSでは一部のユーザーから「昭和や裏社会ばかりでさすがに飽きた」「展開がどれも似ている」という声も聞こえてくる。
しかし、それでも彼らは「昭和・裏社会」をテーマにした‟定型ドラマ”を量産しなければならない。
前編記事で詳しく解説しているように、このようなジャンルがやたらとウケる日本市場の特殊性に迫っていく。
なぜこれほどまでに、「昭和・裏社会」ジャンルのNetflixオリジナルドラマが日本で確実に当たり続けるのか。
そこには、現在の地上波テレビや映画が見落としていた「巨大な空白地帯」がある。
配信ドラマを中心に手掛けるプロデューサーは、ターゲットの生態を次のように分析する。
「現在の地上波ドラマの多くは20〜40代の女性層を意識した作りになっています。背景にあるのは、テレビ局とスポンサーの思惑です。
この層の女性は男性に比べて、好みのドラマ作品を見つけると積極的に応援しようとしてくれます。友人に広めてくれたり、SNSに書き込んだりしてくれるのです。一定の支持を見込めるため、女性をターゲットにしたドラマ企画はテレビ局でも通りやすい。広告を出すスポンサーもお金をドブに捨てることになりません。
では、映画業界の現状はどうかというと、いまや映画館に足を運ぶのは熱心な映画ファンかアニメ目当ての人たちです。結果として、日本のエンタメ界において、テレビを観ない、映画館に行く機会もなくなった『中年男性』が完全に孤立していました。Netflixが拾い上げたのは、まさにこの層なのです」
現代の地上波はコンプライアンスの遵守により表現のソフト化が進んでいる。しかし、今の中年男性が思春期を過ごした昭和や平成の序盤は、地上波のゴールデンタイムでも過激な描写や激しい暴力シーンが普通に放送されていた時代だった。
その中で育った彼らにとって、Netflixが描く「暴力・反社・エッッッ・昭和」という要素は、単なる刺激ではない、かつて自分たちが熱狂したテレビカルチャーに対する、ある種の「郷愁(ノスタルジー)」を感じさせるものなのだ。
普段エンタメに触れないおじさん世代が「地面師たちは一気見した」と口を揃え、飲み会のネタにする光景を見にしたことはないだろうか?彼らの顔は普段会社で見せるものではなく、学生時代に戻ったように活き活きとしているはずだ。
Netflixがこうした層を確実に仕留めに行く一方で、かつてのメディアの王様であった地上波テレビに対しては、どこか冷ややかな視線も向けているようだ。
前出のプロデューサーは、Netflix側のスタンスをこう明かす。
「WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)などのスポーツ配信に力を入れ始めた際、Netflixの関係者は『若い人はもうテレビを見ていない。Netflixで配信したほうが、若者はよっぽど喜んでくれる』という趣旨の発言をしていました。かつてはテレビの専売特許だった大型スポーツイベントすらも、配信のほうが最適に囲い込めるという自信の表れであり、ある種の地上波軽視とも取れる本音です」
昭和のノスタルジーで中年男性を熱狂させつつ、スポーツというキラーコンテンツを使って「テレビ離れ」した若者層をも取り込もうとする。この全方位の戦略こそが、現在の彼らの指針と言える。
■海外大ヒット作も日本では大コケ
この「分かりやすさと快感、あるいは郷愁」の追求は、日本の視聴者環境の、いわばガラパゴス的な状態を背景としている。
現代ビジネス 6/4
かつて視聴率の女王として芸能界に君臨した占い師・細木数子氏の半生を描いたNetflixのオリジナルドラマ『地獄に堕ちるわよ』が話題だ。
『全裸監督』に始まり、『地面師たち』『極悪女王』『九条の大罪』など、Netflixの日本発オリジナルドラマは、たびたび世間の注目を集め、ランキングでも上位を独占してきた。
一方で、SNSでは一部のユーザーから「昭和や裏社会ばかりでさすがに飽きた」「展開がどれも似ている」という声も聞こえてくる。
しかし、それでも彼らは「昭和・裏社会」をテーマにした‟定型ドラマ”を量産しなければならない。
前編記事で詳しく解説しているように、このようなジャンルがやたらとウケる日本市場の特殊性に迫っていく。
なぜこれほどまでに、「昭和・裏社会」ジャンルのNetflixオリジナルドラマが日本で確実に当たり続けるのか。
そこには、現在の地上波テレビや映画が見落としていた「巨大な空白地帯」がある。
配信ドラマを中心に手掛けるプロデューサーは、ターゲットの生態を次のように分析する。
「現在の地上波ドラマの多くは20〜40代の女性層を意識した作りになっています。背景にあるのは、テレビ局とスポンサーの思惑です。
この層の女性は男性に比べて、好みのドラマ作品を見つけると積極的に応援しようとしてくれます。友人に広めてくれたり、SNSに書き込んだりしてくれるのです。一定の支持を見込めるため、女性をターゲットにしたドラマ企画はテレビ局でも通りやすい。広告を出すスポンサーもお金をドブに捨てることになりません。
では、映画業界の現状はどうかというと、いまや映画館に足を運ぶのは熱心な映画ファンかアニメ目当ての人たちです。結果として、日本のエンタメ界において、テレビを観ない、映画館に行く機会もなくなった『中年男性』が完全に孤立していました。Netflixが拾い上げたのは、まさにこの層なのです」
現代の地上波はコンプライアンスの遵守により表現のソフト化が進んでいる。しかし、今の中年男性が思春期を過ごした昭和や平成の序盤は、地上波のゴールデンタイムでも過激な描写や激しい暴力シーンが普通に放送されていた時代だった。
その中で育った彼らにとって、Netflixが描く「暴力・反社・エッッッ・昭和」という要素は、単なる刺激ではない、かつて自分たちが熱狂したテレビカルチャーに対する、ある種の「郷愁(ノスタルジー)」を感じさせるものなのだ。
普段エンタメに触れないおじさん世代が「地面師たちは一気見した」と口を揃え、飲み会のネタにする光景を見にしたことはないだろうか?彼らの顔は普段会社で見せるものではなく、学生時代に戻ったように活き活きとしているはずだ。
Netflixがこうした層を確実に仕留めに行く一方で、かつてのメディアの王様であった地上波テレビに対しては、どこか冷ややかな視線も向けているようだ。
前出のプロデューサーは、Netflix側のスタンスをこう明かす。
「WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)などのスポーツ配信に力を入れ始めた際、Netflixの関係者は『若い人はもうテレビを見ていない。Netflixで配信したほうが、若者はよっぽど喜んでくれる』という趣旨の発言をしていました。かつてはテレビの専売特許だった大型スポーツイベントすらも、配信のほうが最適に囲い込めるという自信の表れであり、ある種の地上波軽視とも取れる本音です」
昭和のノスタルジーで中年男性を熱狂させつつ、スポーツというキラーコンテンツを使って「テレビ離れ」した若者層をも取り込もうとする。この全方位の戦略こそが、現在の彼らの指針と言える。
■海外大ヒット作も日本では大コケ
この「分かりやすさと快感、あるいは郷愁」の追求は、日本の視聴者環境の、いわばガラパゴス的な状態を背景としている。
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