1: 少考さん ★
※弁護士JPニュース
堀田 周吾 2026年06月28日 10:59
外国人名の容疑者が関わる事件が報じられるたび、「また外国人か」「日本の治安が悪くなった」という声が聞かれる。
しかし、そのような印象は現実に即したものといえるか。日々、膨大な数の事件が発生する中で、私たちが目にするのは報道機関によって「取捨選択」されたごく一部の情報に過ぎない。そこには、報道する側の意図や、その時の社会の関心といったフィルターがかかっている。
本記事では、統計データや刑事司法の現実を紐解きながら、「外国人犯罪は多い」という印象に潜むバイアスを明らかにする。数字が示す事実、そして「特別扱い」と噂される外国人被疑者の処遇の実態とは。事件報道の裏側にある「社会の課題」を、専門家の視点から冷静に分析する。
※本記事は野田隼人・堀田周吾 著「事件・裁判報道の『深層』を読む技術」(現代人文社)より一部抜粋・構成しています。(連載第5回/全5回)
報道される事件は「取捨選択」されている
【図表1】は、2024年に検挙(=捜査機関が事件の被疑者として特定すること)された19万1826人について、その罪名別の内訳を示したものです。今世紀に入ってから日本の治安はかなり落ち着いたとはいえ、1年間でこれだけの人が、犯罪に関わっている可能性を疑われているのです。
では、殺人の疑いで検挙された923名に関する事件が、すべて報道されているでしょうか。強盗の疑いで検挙された1780名についてはどうでしょうか。答えは、もちろん否です。
報道機関には、「報道の自由」が憲法上保障されていますが、それは「報じる自由」であると同時に「報じない自由」でもあります。報道各社は、報じるべき事項を自律的に選別する権限を「編集権」と呼び、これに基づいて報道内容を決定しています。
日本国内で発生する事件は膨大な数にのぼり、それらすべてを報じることは物理的にも現実的にも困難であるため、報道機関が報道対象とする事件を取捨選択すること自体は当然のことといえます。
報道各社のガイドラインに事件の選別基準は明示されていませんが、一般に、事件の重大性・公益性の有無、社会的影響の大小、社会の関心の程度などが総合的に勘案されます。ただし、実際には、上記にくわえて、他社の報道動向や取材の容易性なども重視されているのではないかと考えられます。
そのような指針で選別される結果、被疑者の属性は報道判断に大きく影響します。
たとえば、政治家の場合、その言動は有権者の判断材料になりますから、たとえ些細な事件であっても報道の対象とされることがあります。
行政機関の幹部職員や裁判官、検察官、弁護士、警察官、自衛官など、公的な職責を担う人が被疑者となった場合も、公益性の観点から同様に報じられることが少なくありません。
公人ではないものの、大企業の経営陣や教育組織の長(教育長、校長など)についても、職責の公共性や説明責任の観点から、同様の位置づけが与えられていると推測されます。
もっとも、こうした説明があてはまりにくい場合もあります。
たとえば、芸能人です。芸能人は公人ではないですから、私生活で軽微な事件を起こしたとしても、それを報じることの公益性は大きくありません。他方で、著名であるゆえに世間の耳目を集めやすく、また、人となりを報じる素材に事欠きません。そのため、芸能人の事件は、大小にかかわらずセンセーショナルに報じられる傾向があり、その名誉やプライバシーが軽んじられることもあります。
外国人による犯罪は本当に「多い」のか?
たとえば、大学教員が被疑者となった事件が立て続けに2件報じられたとしても、文部科学省の調査(令和6年(2024年)度学校基本調査)によれば約19万人いるといわれる大学教員に対して「犯罪者予備軍」というレッテルを貼るのが不適切であることは、多くの人が否定しないでしょう。
また、人口過疎地の〇〇村でたまたま窃盗事件が2件立て続けに起きたとしても、その村が「犯罪多発地域」であると考える人もいないでしょう。
これに対して、外国人名の被疑者に関する事件が報じられると、罪を犯す外国人が多い・増えたと感じる人がいるようです。しかし、はたして実際に(略)
堀田 周吾 2026年06月28日 10:59
外国人名の容疑者が関わる事件が報じられるたび、「また外国人か」「日本の治安が悪くなった」という声が聞かれる。
しかし、そのような印象は現実に即したものといえるか。日々、膨大な数の事件が発生する中で、私たちが目にするのは報道機関によって「取捨選択」されたごく一部の情報に過ぎない。そこには、報道する側の意図や、その時の社会の関心といったフィルターがかかっている。
本記事では、統計データや刑事司法の現実を紐解きながら、「外国人犯罪は多い」という印象に潜むバイアスを明らかにする。数字が示す事実、そして「特別扱い」と噂される外国人被疑者の処遇の実態とは。事件報道の裏側にある「社会の課題」を、専門家の視点から冷静に分析する。
※本記事は野田隼人・堀田周吾 著「事件・裁判報道の『深層』を読む技術」(現代人文社)より一部抜粋・構成しています。(連載第5回/全5回)
報道される事件は「取捨選択」されている
【図表1】は、2024年に検挙(=捜査機関が事件の被疑者として特定すること)された19万1826人について、その罪名別の内訳を示したものです。今世紀に入ってから日本の治安はかなり落ち着いたとはいえ、1年間でこれだけの人が、犯罪に関わっている可能性を疑われているのです。
では、殺人の疑いで検挙された923名に関する事件が、すべて報道されているでしょうか。強盗の疑いで検挙された1780名についてはどうでしょうか。答えは、もちろん否です。
報道機関には、「報道の自由」が憲法上保障されていますが、それは「報じる自由」であると同時に「報じない自由」でもあります。報道各社は、報じるべき事項を自律的に選別する権限を「編集権」と呼び、これに基づいて報道内容を決定しています。
日本国内で発生する事件は膨大な数にのぼり、それらすべてを報じることは物理的にも現実的にも困難であるため、報道機関が報道対象とする事件を取捨選択すること自体は当然のことといえます。
報道各社のガイドラインに事件の選別基準は明示されていませんが、一般に、事件の重大性・公益性の有無、社会的影響の大小、社会の関心の程度などが総合的に勘案されます。ただし、実際には、上記にくわえて、他社の報道動向や取材の容易性なども重視されているのではないかと考えられます。
そのような指針で選別される結果、被疑者の属性は報道判断に大きく影響します。
たとえば、政治家の場合、その言動は有権者の判断材料になりますから、たとえ些細な事件であっても報道の対象とされることがあります。
行政機関の幹部職員や裁判官、検察官、弁護士、警察官、自衛官など、公的な職責を担う人が被疑者となった場合も、公益性の観点から同様に報じられることが少なくありません。
公人ではないものの、大企業の経営陣や教育組織の長(教育長、校長など)についても、職責の公共性や説明責任の観点から、同様の位置づけが与えられていると推測されます。
もっとも、こうした説明があてはまりにくい場合もあります。
たとえば、芸能人です。芸能人は公人ではないですから、私生活で軽微な事件を起こしたとしても、それを報じることの公益性は大きくありません。他方で、著名であるゆえに世間の耳目を集めやすく、また、人となりを報じる素材に事欠きません。そのため、芸能人の事件は、大小にかかわらずセンセーショナルに報じられる傾向があり、その名誉やプライバシーが軽んじられることもあります。
外国人による犯罪は本当に「多い」のか?
たとえば、大学教員が被疑者となった事件が立て続けに2件報じられたとしても、文部科学省の調査(令和6年(2024年)度学校基本調査)によれば約19万人いるといわれる大学教員に対して「犯罪者予備軍」というレッテルを貼るのが不適切であることは、多くの人が否定しないでしょう。
また、人口過疎地の〇〇村でたまたま窃盗事件が2件立て続けに起きたとしても、その村が「犯罪多発地域」であると考える人もいないでしょう。
これに対して、外国人名の被疑者に関する事件が報じられると、罪を犯す外国人が多い・増えたと感じる人がいるようです。しかし、はたして実際に(略)
4: 名無しどんぶらこ
不起訴になればノーカンだしな
7: 名無しどんぶらこ
いなけりゃ0なんよ