銭湯が消え続けている。厚生労働省によると、銭湯に当たる一般公衆浴場は2020年度末の3231軒から、24年度末には2730軒まで減少した。東京都内でも、25年末には417軒まで減った。都内では8月に入浴料が値上げされるものの、燃料費の高騰や施設の老朽化、後継者不足で、のれんを下ろす店が相次ぐ。一方、業界の外から経営を引き継ぎ、再生に挑む若者も現れた。全国的に減少が続く中、東京の銭湯に焦点を当て、閉める人、継ぐ人、支える人の声を追った。

●のれんを下ろした銭湯主の胸の内

東京都江東区。砂町銀座近くの路地を歩くと、シャッターの下りた建物に行き当たった。銭湯の看板は残ったまま。貼り紙には、端正な字でこう記されていた。