1: テンペル・タットル彗星(茸) [ニダ] 2026/08/14(金) 19:06:48.38 ID:frciZato0● BE:582792952-PLT(13000)
中野 タツヤ
桜井悠太は神奈川県在住の会社員。大手メーカーの子会社で技術職をしている。
仕事ぶりは真面目だし、能力もしっかりしていて、職場での評価は高い。ただ、大人しくて引っ込み思案なところがあり、特に女性と関わるのが苦手で、35歳になっても独身のままだった。
そんな桜井悠太だったが、今年に入って急に婚活すると周囲に宣言。今年の春から、実際に結婚相談所にも登録して活動していた。
まあまあうまくいっているようで、彼自身も楽しそうにしていたものの、つい1ヶ月ほど前から、急に雰囲気が暗くなった。仕事を休むことも増えて、彼が参加しているプロジェクトの進行にも影響が及んでいた。
同じ職場の先輩社員、後藤慎太郎(38)が、そんな桜井悠太の様子を見かねて、仕事帰りに桜井悠太を飲みに誘ったのだった……。
「婚活、どうなった?」
後藤慎太郎が、桜井悠太を連れていったのは、川崎駅南口にある焼肉店だった。このあたりは会社関係者があまり来ないエリアで、悩み相談にうってつけだと思ったのだった。特に高級な店ではないが、値段が手ごろで、何を頼んでもほどほど美味しい、使い勝手がいい店で、後藤は何度か来たことがあった。
ビールで乾杯したあと、しばらく職場の噂話や、人事異動の話をしていた。桜井悠太から、プロジェクトの進め方の相談もあった。
小一時間ほどたって、注文した品を一通り食べ終えたころ、後藤はやおら本題を切り出した。
「そういえば、婚活、どうなった?」
後藤のその一言で桜井悠太の表情が曇った。その様子は、桜井が悩んでいるのがこの問題であることを何よりも雄弁に語っていた。
「まあ……」桜井悠太は語尾を濁した。
「え? やってたよな、婚活。なんか今年の春くらいから、『今年こそ結婚する』って言って」
「ええ、まあ、やってますよ」
「なんか、有名な結婚相談所だったよな」
「ええ、青山の」
歯切れの悪い回答が続く。後藤は、桜井の婚活がうまくいっていないことを確信した。
「あんまりうまくいってないのか、婚活?」
2: テンペル・タットル彗星(茸) [ニダ] 2026/08/14(金) 19:07:02.77 ID:frciZato0 BE:582792952-PLT(12000)
「ちょっと、嫌なことがあって」
桜井悠太は飲みかけのビールのジョッキをテーブルに置くと、深々とため息をつきながら肩を落とした。
「ええ、ちっと、嫌なことがあって」
「嫌なこと?」
その様子が気になった後藤は、注文用タブレットでビールを2つ追加すると、桜井のほうに身を乗り出し、聞く姿勢になった。
「なんだ、嫌なことって。もしかして、結婚詐欺にひっかかりそうになったとか」
後藤はわざと冗談めかしてそう言った。引っ込み思案ではあるが根がしっかり者の桜井が、そんなものにひっかかるはずがないことをわかった上での発言だった。
「そんなんじゃないですよ」
「じゃあ、何があったんだ?」
「タイプじゃなかったらしくて」
「結婚相談所の紹介で、ある女性とお見合いしたんですよ」
「へえ。どんな女性?」
「埼玉在住で、仕事は都内のIT企業でSEをしてる人です」
「いいじゃないか。お互い理系で話も合いそうだし」
後藤は率直な感想を言った。
「僕もそう思ったんですよ。で、相談所を介して会ってみたんですが……」
桜井悠太は再び表情を曇らせ、下を向いてしまう。
「どうした。あんまり相性が良くなかったのか?」
後藤が水を向けると、桜井は言いにくそうに、一言一言絞り出すように言った。
「相性が良くないっていうか……。向こうは、僕のことがあんまりタイプじゃなかったらしくて……」
「まあ、そういうこともあるよな」後藤はとりなすように言った。
中野 タツヤ
桜井悠太は神奈川県在住の会社員。大手メーカーの子会社で技術職をしている。
仕事ぶりは真面目だし、能力もしっかりしていて、職場での評価は高い。ただ、大人しくて引っ込み思案なところがあり、特に女性と関わるのが苦手で、35歳になっても独身のままだった。
そんな桜井悠太だったが、今年に入って急に婚活すると周囲に宣言。今年の春から、実際に結婚相談所にも登録して活動していた。
まあまあうまくいっているようで、彼自身も楽しそうにしていたものの、つい1ヶ月ほど前から、急に雰囲気が暗くなった。仕事を休むことも増えて、彼が参加しているプロジェクトの進行にも影響が及んでいた。
同じ職場の先輩社員、後藤慎太郎(38)が、そんな桜井悠太の様子を見かねて、仕事帰りに桜井悠太を飲みに誘ったのだった……。
「婚活、どうなった?」
後藤慎太郎が、桜井悠太を連れていったのは、川崎駅南口にある焼肉店だった。このあたりは会社関係者があまり来ないエリアで、悩み相談にうってつけだと思ったのだった。特に高級な店ではないが、値段が手ごろで、何を頼んでもほどほど美味しい、使い勝手がいい店で、後藤は何度か来たことがあった。
ビールで乾杯したあと、しばらく職場の噂話や、人事異動の話をしていた。桜井悠太から、プロジェクトの進め方の相談もあった。
小一時間ほどたって、注文した品を一通り食べ終えたころ、後藤はやおら本題を切り出した。
「そういえば、婚活、どうなった?」
後藤のその一言で桜井悠太の表情が曇った。その様子は、桜井が悩んでいるのがこの問題であることを何よりも雄弁に語っていた。
「まあ……」桜井悠太は語尾を濁した。
「え? やってたよな、婚活。なんか今年の春くらいから、『今年こそ結婚する』って言って」
「ええ、まあ、やってますよ」
「なんか、有名な結婚相談所だったよな」
「ええ、青山の」
歯切れの悪い回答が続く。後藤は、桜井の婚活がうまくいっていないことを確信した。
「あんまりうまくいってないのか、婚活?」
2: テンペル・タットル彗星(茸) [ニダ] 2026/08/14(金) 19:07:02.77 ID:frciZato0 BE:582792952-PLT(12000)
「ちょっと、嫌なことがあって」
桜井悠太は飲みかけのビールのジョッキをテーブルに置くと、深々とため息をつきながら肩を落とした。
「ええ、ちっと、嫌なことがあって」
「嫌なこと?」
その様子が気になった後藤は、注文用タブレットでビールを2つ追加すると、桜井のほうに身を乗り出し、聞く姿勢になった。
「なんだ、嫌なことって。もしかして、結婚詐欺にひっかかりそうになったとか」
後藤はわざと冗談めかしてそう言った。引っ込み思案ではあるが根がしっかり者の桜井が、そんなものにひっかかるはずがないことをわかった上での発言だった。
「そんなんじゃないですよ」
「じゃあ、何があったんだ?」
「タイプじゃなかったらしくて」
「結婚相談所の紹介で、ある女性とお見合いしたんですよ」
「へえ。どんな女性?」
「埼玉在住で、仕事は都内のIT企業でSEをしてる人です」
「いいじゃないか。お互い理系で話も合いそうだし」
後藤は率直な感想を言った。
「僕もそう思ったんですよ。で、相談所を介して会ってみたんですが……」
桜井悠太は再び表情を曇らせ、下を向いてしまう。
「どうした。あんまり相性が良くなかったのか?」
後藤が水を向けると、桜井は言いにくそうに、一言一言絞り出すように言った。
「相性が良くないっていうか……。向こうは、僕のことがあんまりタイプじゃなかったらしくて……」
「まあ、そういうこともあるよな」後藤はとりなすように言った。
4: パルサー(福岡県) [ニダ]
でも手取りで年1000万あったら?
11: 熱的死(やわらか銀行) [ニダ]
いきなりアニメが趣味ですって言ったらキモいだろ普通