家事支援サービスの国家資格創設を政府が打ち出している。

共働き家庭の増加で、家事支援のニーズが高まっているためだ。負担が女性に偏り、離職などにつながる例が後を絶たない現状もある。専門職と位置づけられることで、長く続いてきた「家事は無償で女性が担うもの」という意識が変わるのか注目だ。

▽「他人が家に」抵抗感も

 政府は7月に閣議決定した「日本成長戦略」の中で、八つの分野横断的な課題の一つとして、家事の負担軽減を盛り込んだ。

 サービスの質向上などのため、家事支援サービスの国家資格(技能検定)創設に向け、2027年秋をめどに第1回国家試験の実施を目指す。さらに、利用促進に向け、税制措置を含む新たな支援策を検討する。

 家事支援サービスの利用は増加し続けている。

 帝国データバンクの推計によると、2021年度の家事サービスの市場規模は約807億円で、12年度の約6・2倍に拡大した。

 ただ、帝国データバンクによる20代~40代の既婚者対象のネット調査(有効回答2208件)では、「サービスを知っているが、利用したことがない」人が75・7%で、利用しているのは1・8%にとどまる。料金の高さや他人が家の中に入ることへの抵抗感、セキュリティー面での不安などが影響しているとみられる。

▽需要に人材供給は追いつけるか

 資格創設には、そういった不安の解消につながるという期待と同時に懸念の声もある。需要が高まる家事支援サービス市場だが、人材不足という課題も抱えているのだ。

 家事代行マッチングサービスのタスカジの和田幸子社長は「国が認めた資格になることで、家事代行を仕事の選択肢として考える人が増えるという期待感はあるが、仕組み次第では人材不足が進む可能性がある」と指摘する。

 「資格がないと仕事ができなかったり、税額控除などの対象が資格取得者によるサービスに限られたりすると、従事できる人が限定される心配はある。サービスを受けられる人も減り、逆効果になる」(和田社長)。

 東京商工リサーチによると、家事代行業の2025年度の倒産件数は12件で過去最多となった。競争が激化する中で、人材確保が難しく、中小の業者が経営に行き詰まるケースが多いという。

◼若い世代に変化

 家事支援サービスのベアーズは、2025年までの10年でサービス利用が2・3倍に増えた。人材確保のため、外国人のスタッフも登用している。

 高橋ゆき副社長は「子育て支援策の広がりや、企業の福利厚生としての利用増に加え、外国人人材の活躍でサービス供給力が高まり、需要に人材確保が追いついてきたことが大きい」と語る。

 「『家事を人に任せるのはうしろめたい』という感覚も、若い世代を中心に薄れてきた。共働きの男性からの依頼も増えた。『夫婦げんかが減った』という声も多い」

◼女性の方がハードル高く

 それでも、なお意識面の課題は根強く残る。

 「『家事のしすぎ』が日本を滅ぼす」の著書がある佐光紀子さんだ。「以前とは変わってきたとはいえ、家事は愛情の表れで、きちんとこなすことが女性の評価につながるといった意識をまだ女性自身が引きずっている。男性よりも女性のほうが利用のハードルが高いのではないか」

 第一ライフ資産運用経済研究所の鄭美沙主任研究員は「共働きの増加に加え、“タイパ”を重視する若者世代は、お金を払って時間を節約するようになっている」として、今後も市場は拡大するとみる。
1: 煮卵 ★ 2026/09/05(土) 09:24:59.20 ID:aCabi20A9
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