1: 思考 2026/10/18(日) 12:29:34.80 ID:gGPBz8hO0●
大皿にから揚げがたった1個ぽつんと盛られた給食や、小ぶりのウインナーが2本寂しく転がる給食——。SNS上に投稿された学校給食の写真をきっかけに「え、これだけ?」「あまりにも少なすぎる」と、驚きと批判の声が上がっている。
「こんな貧相な給食では子どもがかわいそう」「給食の時間が楽しくなくなってしまう」……こうした声は何より、子どもたちの笑顔と健やかな成長を願ってのものだ。一方で、「少なく見えても、必要な栄養価は充足している」という現場側の主張も、どこか言い訳のように受け取られてしまい、騒動をさらに大きくする結果となっている。
かつて保育園給食の現場に立ち、給食室の内部事情を知る筆者は、複雑な思いで一連のニュースを見つめている。なぜなら私自身、鶏肉のから揚げをメインにした日に「量が少なく見える」「もっと増やせないか」と直接言われた苦い経験があるからだ。
栄養価の基準を満たしているはずの給食が、なぜこれほど少なく見えるのか。基準自体を見直すべきなのだろうか――。食材費や光熱費、人件費の高騰が重なる現代において、給食現場が抱える葛藤と求められる対応について、管理栄養士の視点から紐解いていきたい。
「みんなで食べる」給食だからこそ、安心安全と残食ゼロの意識で見た目が減る
給食調理には安心安全のため「中心温度75℃・1分以上」の加熱調理や生野菜が提供できない(原則的に加熱する)といった、シビアなルールがいくつもある。そして十分な加熱によって、肉類や葉物野菜のかさが大幅に減ってしまうのは避けられない事実のひとつだ。
特に鶏肉のから揚げやソテーはその影響を大きく受ける。かつて保育園給食を作る立場にいた私のもとにも「から揚げが少なく感じる。1人1個増やせないか?」という声が届いたことがある。から揚げは縮みやすいうえにおかわりで争奪戦が起きるほどの人気メニューだ。ほかの献立に比べても物足りなさが際立ってしまう。 なんとかしてから揚げを増やせないか、ほかの献立の予算を削れないか、根菜と合わせて甘辛揚げにしたらどうか……と試行錯誤を重ねた日々が思い出される。
【アレルギー食材への配慮と節約思考が生む「見た目の素朴さ」】
2: 思考 2026/10/18(日) 12:31:01.61 ID:gGPBz8hO0●
一方で野菜に関しては、「かさが減ることでかえって食べやすくなる」という声も寄せられた。実際、筆者としても、野菜嫌いの子どもにとっては残食を減らす助けになると感じることもあった。 しかし、その一方で、野菜が好きでたくさん食べたいという子どももいる。残念ながら、それらの声すべてに応えることは難しい。
性別、体型、食欲、好みすらも異なる「みんな」で食べる給食において、まず何より優先されるのは子どもたちの「命を守る」安心安全の確保。そこに喫食者の嗜好や残食問題も絡み合う以上、どうしても「物足りなさ」が生まれてしまう側面があるのは否定できない。
アレルギー食材の複雑な混ぜ込みを避ける意味合いで、「クリームシチュー」や「具材入りのオムレツ」といった安価かつ見映えする献立を作りにくい背景もある。
ハンバーグやつくねに関しても、なるべく卵や乳などのつなぎを使わない調理が優先されるため、簡単にはかさ増しができず、どうしてもシンプルで素朴なメニューになりがちだ。こうした素朴さも、「貧相」だと捉えられてしまう要因かもしれない。
私がかつて勤めた保育園給食では、節約レシピでもお馴染みの豆腐、高野豆腐、厚揚げなどの大豆食品をよく取り入れていた。ただこれらは肉料理よりボリュームが出やすいものの、子どもたちの「人気メニュー」になることは難しかった。「厚揚げはもさもさして子どもたちには食べにくい」と指摘された経験もある。
予算、栄養価、ボリューム、見映え、そしておいしさ。これらすべてを両立させることこそが、給食現場における何よりの課題だ。