誰もが共有していたはずの「当たり前」が、いまや当たり前として通用しなくなっている。評論家の與那覇潤氏は、新刊『なぜ「まちがえた」と言えないのか』の中でそうした現状を、精神医学の用語である「自然な自明性の喪失」という言葉でとらえている。

本記事では、著者の與那覇潤氏と東京大学大学院経済学研究科講師の舟津昌平氏が、間違いを認められない社会の構造について語り合う。専門家の「占い師化」を取り上げた前回に続き、全3回の第2回では、この言葉を手がかりに、間違いを認めた人ほど叩かれてしまう理由を掘り下げる。

すれ違うだけの「言葉の定義」論争