長寿化が進む現代、75歳以上の医療費が見直され、一定所得がある層の窓口負担が引き上げられました。十分な年金があっても、持病や通院が重なれば家計は一気に赤字へ転落しかねません。「長生きは罰ゲームなのか」と苦悩するある男性の姿から、後期高齢者を待ち受ける医療費負担の落とし穴と、老後の防衛策を考えます。
月18万円の年金でも毎月赤字…医療費が家計を圧迫
都内の分譲マンションで一人暮らしを送る田中茂さん(75歳・仮名)は、通帳の残高を確認するたびに憤りを募らせています。
高校卒業後、機械部品メーカーに就職し、定年まで40年以上勤め上げました。現在受け取っている公的年金は、厚生年金と基礎年金を合わせて月額約18万円。税金や社会保険料が差し引かれた後の手取りは月約15.5万円です。現役時代に比べて生活費を抑えているものの、毎月3万円前後の赤字が続いています。その一因となっているのが、持病の治療にかかる医療費だといいます。