「昨日何件回ったのか」「なぜ契約が決まらないのか」「今日は何件取れるのか」。そういった言葉を朝から浴びせられ、時には別室でさらに厳しい叱責を受けることもあった。
「出社時間が近づくだけで胃が痛くなり、会社へ向かう途中で動悸がすることもありました。当初は喫煙やコーヒーで気持ちを落ち着かせていましたが、ある朝、なんとなく缶チューハイを飲んでみたら、緊張がすっと和らぐ感覚があったんです」
それ以来、出社前に駅付近で飲むことが習慣化した。コンビニ前のときもあれば、高架下のときもある。それは「酔いたいわけじゃなく、会社へ入る前に神経を“鈍らせる”ため」だった。