380: 2011/11/27(日) 21:27:33.06ID:DmOzppr6

ガキの頃、仲間と駄菓子屋に入り浸っていた。

10円の飴やお菓子、甘納豆を頬張りながら

銀玉鉄砲とビー玉を調達して空き地で遊ぶのが定番だった。

その店の人気商品にクジ付きのお菓子が何種類もあって

1等の景品はどれも非売品で、子供の目からはどれも宝物のように見えて

なけなしの小遣いをそのクジにつぎ込んでは「またはずれた~」なんて笑っていた。

1月のある日、俺たちはお年玉で少しだけ金持ちになった気分で

いつもの様にその駄菓子屋であそんでいた。

仲間の一人がなにか真剣な顔してクジを睨んでいる事に気づいた俺は

「どうしたの?」と聞いてみると

ソイツは意を決した様に言った「俺はやるよ」

続く
384: 2011/11/27(日) 21:54:44.11 ID:DmOzppr6
顔を上げたソイツは駄菓子屋のオバちゃんにむかって静かに

そしてやや緊張した顔で「オバちゃん、このクジの一等は間違いなくアレだよね?」

指差したその方向には大きなジョーズの模型があつた。

「オバちゃんこのクジ一回引くよ」と言って引いたらハズレだった。

「もう一回」またハズレ。

「もう一回」またハズレ。

このへんでキッズナメてたオバちゃんも50回目を超える頃にはイラつきだした。

俺にはそいつが英雄に見えてきた。

とうとう最後の一本、当然ハズレだった。

問い詰めた俺らに余裕の表情で「あら、メーカーさんに文句言わなくちゃね」

なんて白を切ったもんだから、俺らの英雄は更に本気を見せて

「んじゃ次はこっちのクジやる」と言って次々と引き始めた。

「オバちゃん用事があるから今日はお店閉めていいかい」

「だめ、先生とお母さんに言うよ、インチキだって」なんてやりとりしてる間に

7種類のクジ全部引いてしまった。結果は全部一等なし。

睨みつける英雄にオバちゃんはバツが悪そうに、一等景品の中から一つ差し出した。

「いらない」そう言って英雄は満足気に言って帰っていった。

続く
385: 2011/11/27(日) 21:56:53.56 ID:x8dG+xnb
ちょ、シエンww